まず練習すべきこと3選【チューバ編】

低音楽器として、バンド内の全体を支える縁の下の力持ち的存在、「チューバ」。誕生したのは19世紀初頭と、他の管楽器と比較すると少し歴史の浅い楽器です。もしチューバを演奏することになったら、どのような練習をすればいいのでしょう? これからチューバをはじめたい方、はじめる方に注目していただきたい、チューバの練習法3選をご紹介いたします。

チューバを演奏するにあたって意識してほしいこと

吹奏楽部などではじめてチューバを見ると、その大きさにまず驚くかもしれません。並み居る管楽器のなかでも、チューバは大きく重さもあるヘビー級の楽器です。

高さ約1m、重さも10kgほどあるチューバを演奏するとき、まず注意してもらいたいのは、「力任せにならない」ことです。大きな楽器を演奏する場合、最初はなかなか音が出せず、ついつい力任せに吹いてしまいがちです。それではせっかくのチューバの低音を生かしきれないでしょう。体の力を抜いて、ゆっくりとおおらかに息を吹き込むことで、チューバ本来の低音の広がりを響かせられます。

チューバの基礎練習方法・その1:ロングトーン

最初に行いたいのは、1つの音を数拍間伸ばし続ける基礎練習方法、「ロングトーン」です。チューバに限らず、管楽器で音を響かせていい音色を出すためには、ロングトーンの基礎練習は必要不可欠です。まだ音階の指使いが覚えられていない場合は、1つずつ確認しながらロングトーンと合わせて練習してもいいでしょう。

ロングトーンの練習のポイントは、できる限り音を遠くに届けるイメージをしながら吹くことです。同じ数拍間伸ばし続けるとしても、目の前の人に届けるイメージと、客席の最後列へ届けるイメージで吹くのとでは、音の広がりなどがまったく異なります。まっすぐ前に音を送り出すことも意識してみましょう。

最初の音色と吹ききるまでの音色が同じになるように意識して、呼吸のコントロールをしましょう。吹き切る際も勢いよく音を終わらせるのではなく、ゆっくりと良い音を残しながら音を小さくしていければ完璧です。呼吸に強弱が出ると音程にブレも出てしまいます。ロングトーンの場合は、いかに音程を正確にできるかも重要になりますので、1つずつ意識しながら練習していきましょう。

チューバの基礎練習方法・その2:リップスラー

ロングトーンの練習法の注意点でも登場した、呼吸の強弱で音が変わるという特性は、チューバのみならず金管楽器特有のもので、その特性を逆手に取って技術として取り入れられた技法を「リップスラー」と呼びます。

指の動きを変えずとも音色を変えられるリップスラーは、唇の柔軟性を鍛えたり、音感を養ったりすることによい影響を与えてくれます。唇の柔軟性が高いといい音色を奏でられるので、伴奏を担う縁の下の力持ち的存在なチューバには欠かせない技法のひとつです。伴奏がいい音色で安定していると、演奏全体に安定感や厚みを与えてくれることでしょう。

ロングトーンと合わせて行える練習法の「リップスラー」。練習時のポイントは、音の変化を滑らかにすることです。慣れるまでは音の変化の瞬間が途切れがちになるでしょう。しかし唇の柔軟性が出てくれば、自ずと途切れずに音と音の移動する瞬間が滑らかになっていきます。できるだけ音量を一定にすることと、音程に注意して正確な音を出すことに意識を集中してみましょう。

チューバの基礎練習方法・その3:タンギング

チューバを演奏しているとき、伸ばした音を舌で短く区切ることを「タンギング」と呼びます。チューバのみならず、息を吹き込んで演奏するタイプの楽器では往々にして登場する技法のため、基礎練習の段階から鍛錬に励みましょう!

音を出しながら、舌を口内の上の部分につけて離すを繰り返すことで、音を短く区切れます。楽器も何もない状態でやってみるとやり方がわかりやすいでしょう。いわゆる「舌打ち」のようなものですね。何も意識をしないと、「チッ」とか「トゥッ」という音になりますので、チューバの場合は、「ドゥ」や「ル」という音をイメージしてタンギングの練習をしてみましょう。

タンギングの練習ポイントは、舌だけに頼り切らないことです。舌で音を短く区切るときに、一緒に呼吸も短くリズムよく区切ります。片方だけに頼ることなく、舌と呼吸の両方を意識して練習してみましょう。

両方を意識して演奏するためには、舌だけでタンギングする方法と、呼吸だけでタンギングする方法を、交互に繰り返す練習もオススメです。

1)タンギングをしないで譜面通りに楽器を吹いてみる

2)楽器を使わずに息だけでタンギングをしてみる

3)タンギングをしながら楽器を吹いてみる

このやり方をおこなうことで、それぞれがどう違うのかを考えられます。そうすると新たな発見が生まれることでしょう。タンギングはテンポの感覚を養い、正しい発音をするためには必須の技法ですので、コツコツと練習を繰り返し習得してくださいね。

基礎練習を重ねて、ステキなチューバ奏者「チュービスト」になろう!

基礎に始まり基礎に終わる。このことは楽器に限らず、何かを習得するときには必要不可欠なことでしょう。チューバの場合も同様です。チューバはその大きさや低音から力任せになってしまいがち。しかし実際は繊細なトレーニングを繰り返し行い、習得してこそ安定した伴奏を奏でられるのです。

いかに基礎練習をおこなったかは、音色に現れるでしょう。丁寧に日々の基礎練習をおこなうことで、あなたが思い描くチューバの美しい音色に少しずつ近づいていけるといいですね。