まず練習すべきこと3選【バリサク編】

ビリビリと響く重低音、豊かに広がる温かい音色が魅力なバリトンサックス。音色の迫力、幅広さから、ジャズでも吹奏楽でも低音の要としての重要な役割を担います。これからバリトンサックスをはじめたい方に向けて、基本となる練習方法を3つご紹介しましょう。

バリトンサックスを演奏するときに意識したいこと

バリトンサックスは、ソプラノ・アルト・テナー・バリトンからなる「サクソフォーンカルテット」のなかでも、とりわけ大きく重量もある楽器です。そのようなモンスター級のバリトンサックスを演奏する際には、姿勢を意識するようにしましょう。正しい姿勢を意識することで、奏でる音色が大きく変化します。

顔とアゴの角度に注意

大きなバリトンサックスの場合、力任せに息を吹き込んでしまったり、唇だけで支えようとしてしまったりしがちです。そこで意識してほしいのは、「顔」と「アゴ」の角度です。アゴを引きすぎると、喉の前側が押しつぶされます。アゴを上げすぎると、喉の前側が伸び切ってしまい、どちらも息の出かたに影響を及ぼし、音色も悪くなってしまうでしょう。顔の角度にも注意が必要で、マウスピースの方へ顔を寄せてしまい、首から上だけが不自然に前に傾いてしまうこともあります。このような姿勢で演奏を続けていると、首に対し余計な負担がかかり、痛めてしまう可能性も出てきます。ストラップの位置調整を含め、首に負荷がかかりすぎないような姿勢を意識しましょう。横向きになって鏡で姿勢をチェックするといいですね。

背中は丸めすぎず、反らしすぎず。視線はできるだけ真っすぐ前を

大きなバリサクの場合、重量に耐えきれず姿勢が崩れることも致し方ありません。しかし正しい姿勢を維持できれば、奏でる音色が格段に良くなります。前かがみになりすぎず、腰や背中を反らしすぎず、譜面や手元にばかり視線をやらずにできるだけ真正面に視線を固定しましょう。そうすることで前へ前へと音色を送り出せます。常にこの姿勢を保つ必要はありませんが、意識をすることは大切です。正しい姿勢をキープするためには、日々の筋トレやストレッチがとても大切になるでしょう。

バリトンサックスでまずは練習すべきこと3選

バリトンサックスに限らず、音を安定させるためには日々の訓練が大切です。今回紹介する3つの練習は、基本中の基本な練習となりますので、練習の最初に時間を取って必ず毎回おこなうぐらいの気持ちでやってみてください。

まずは練習すべきことその1「ロングトーン」

音色を響かせる、音を安定させるためには、ロングトーンの訓練が必要不可欠です。ロングトーンの練習では、口の周りの筋肉やアゴの筋肉、肺活量を支えるための横隔膜まわりの筋肉を発達させられます。やみくもに筋トレや演奏をするだけでは鍛えきれない筋力を発達させることで音が安定します。それぞれの筋肉が発達すれば、ロングトーンだけではなく、さまざまなシーンで安定した音程や、長丁場の演奏にも耐えられる体力を備えられるでしょう。時間がないときでも、アップを兼ねてロングトーンだけはやるようにしてください。

ロングトーンのやり方は、メトロノーム(BPM=60ぐらいが目安)に合わせて2秒程度息を吸い混んだら、ゆっくりと音を出しましょう。そのまま8カウント、音を出し続けます。一定のリズムで、「息を吸う」「音を出す」「そのまま8カウント伸ばす」という動作を繰り返しおこないましょう。慣れるまでは吹きやすい音だけでも問題ありません。1つの音でのロングトーンに慣れてきたら、1オクターブ分の音階を1往復するといいでしょう。

まずは練習すべきことその2「タンギング」

タンギングとは、舌を使って息をせき止めて圧力を高め、すぐさま開放することで音を細かく区切る演奏法です。タンギングの練習では舌の筋肉を鍛えます。舌の筋肉が発達すると、素早くタンギングができるようになっていくでしょう。舌の可動域が広がるので、フラジオと呼ばれる、通常は出せないサックスの音域の、さらに1オクターブ上の音域を出すテクニックが習得できます。

タンギング練習のやり方は、ロングトーンと同じくメトロノームをBPM=60にセットして、メトロノームのリズムに合わせて、4分音符を4拍吹き4拍伸ばします。次に2拍休んだら2拍で息を吸い込み、頭から繰り返します。「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ。ふーーーーっ」です。このとき「ら」と発生したときの舌の動きをイメージするとわかりやすいでしょう。音を短く切る、歯切れよくするためには、舌が触れることよりも離れる瞬間に意識を集中させてみてください。最初は単音で、慣れてきたら1オクターブ分の往復をするといいでしょう。

まずは練習すべきことその3「運指」

3つ目の基本的な練習は「運指(うんし)」です。音階を丁寧に指で押さえ、繰り返し練習すれば指が鍛えられます。指が鍛えられれば、よりスムーズに運指ができ、思い描くタイミングで指が動かせるようになっていきます。そうなると指と舌と息が三位一体となり、難しい譜面にも挑戦しやすくなるでしょう。

運指の練習方法はいたって簡単ですが、サックスは指を置く位置が少しわかりづらいので、最初は難しいと感じるかもしれません。しかし焦らないで1音ずつ「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と丁寧に指を置いて音を出していけばOKです。慣れてきたら1オクターブを往復してみて、少しずつペースを上げていきましょう。速さが出せるようになってきたらメトロノームに合わせてみることもオススメです。

バリトンサックスの基本は基礎が要。とにかく焦らず積み重ねていこう

バリトンサックスの重量や大きさは、一朝一夕のトレーニングでは賄えないものもあります。日々の筋トレに加えて、今回紹介した3つのまず練習すべきことをこなしていきましょう。地道な基礎練習を積み上げていくことで、思い描く音色を奏でる近道となるはずです。焦りは禁物ですので、基礎をしっかりと身に付けて、さまざまなジャンルの曲に挑戦してみてくださいね。